小池百合子が東京を壊す
タイトルは文藝春秋10月号のノンフィクション作家の広野真嗣さん記事のタイトルである。記事はコロナ対策でするべきことをせず、無為無策を続ける小池知事を批判する内容になっている。
大阪は失敗に学んだが、東京は備えを怠ったために、医療危機を招き救うべき命を救えなかったと。まったくその通りという感想である。
多くの人が指摘するように、コロナ対策に限らず、小池知事は自分のしていることをいかによくみせるかという点にしか関心がないようにみえる。
真の政治というのは、橋下徹氏がいうように利害が対立する問題でも全体最適のためには嫌われる覚悟をもって決断をすることである。橋下氏は先日のテレビ番組で菅内閣に対してそうした覚悟をもった取り組みを求めていた。
この2年弱小池知事をみてきたが、この人に批判を覚悟で何かを決断して実行するということを期待することは難しそうだ。
東京五輪について中止の判断をするのではないかという憶測が一時流れて、「まさか」とは思ったが、中止に踏み切ることはなかった。
コロナ対策についてはそもそも国の制度や支援に足りないところが多すぎて、自治体は苦労が多いと推測する。
であれば、自治体のトップに立つ小池知事はもっと国と本気のケンカをするくらいの気概をみせてほしいところであるが、そういう話はついぞ聞かない。
職員からは悲痛な訴えが上がってきているのではないかと察するが、そうした声に耳を傾けることもないのであろう。
小池知事の能力や政治思想に対してはもともと期待もしていないし、期待しても無駄だとも思っているのであるが、彼女のブレーンになる人にもまともな人はいないのだろうか。
知事の業務は多岐にわたる。すべてを自分で考え、決断することは難しいので、ブレーンと呼ばれる人にも相談してしかるべきだと思うが、そうしたブレーンが存在するかどうかもよくわからない。
選挙の時には緑色の服を着てサポートしてくれるボランティアらしき後援会の人たちがいるようである。そうした応援団の人たちが何か言えば少しは響くとは思うのだが。
彼女が設立した都民ファーストの会も全く存在感がない。
こうした危機的な状況で存在感が示せなくて一体どうするのか。
都民ファーストも7月の都議会議員選挙では与党の自滅で議席を大きく減らさずに済んだ。小池知事が病を押して頑張っているというパフォーマンスが効いたという報道もあった。
ここまでひどい状況になっても、多くの都民は小池知事に対して厳しい評価をするにいたっていないのである。
彼女の極力表に出ず、コロナ対策がうまくいかないのは国のせい、菅首相を矢面にたたせる作戦がうまくいっているという面もあるだろう。
有権者はなめられたものである。
ひろゆき(西村博之)氏が言うように「小池知事に票を入れるような人たちに何を期待するのだ」という考えもあるだろう。
私としては、こうした失敗を通して、一人でも多くの有権者が政治というものを考える機会となることに切に期待したい。